釣りコラム

私の知らなかった”ドブ川シーバス”の世界 ~出会い編~

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こんにちは。
笹目 釣人です。

みなさんは「ドブ川シーバス」という言葉をご存じでしょうか?
主に都市部で使われる言葉で、水質悪い小規模な水路で釣れるシーバスのことを指します。

私の釣りは荒川の本流がメインで、これまで新河岸川以外の支流にはあまり目を向けてきませんでした。
なんなら、ドブ川にはややネガティブな印象すら持っていたかもしれません。

ところが、先日ある青年に荒川の支流を案内してもらい、自分の知っているシーバス釣りとまるで違うシーバス釣りを目の当たりにした時、それまでのネガティブな印象が180度変わりました。

今回の記事では、私が目の当たりにしたドブ川シーバスの世界感について紹介したいと思います。

※導入部分がやや長いので、概要だけ知りたい方は「3. 荒川本流と支流の釣りの違い」から読んでください。

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青年との出会い

まずは、前出の青年との出会いについて紹介します。

2021年の夏、水温が上がりシーバスの気配が薄れた荒川で、私はバス釣りをしていました。
その日は運が良く、開始数投でバスを釣り上げることができました。

ほくほくの気分で釣果写真を撮っていると、クロスバイクにまたがった釣り人が現れました。
これがドブ川シーバスの青年です。
軽く挨拶をかわし、少し距離をおいて釣りを続けました。

その後、なかなかあたりが無く苦戦していた私をよそに、彼はサクッと40アップのバスを釣り上げ、短時間の釣行で颯爽と去っていきました。
笹目橋に通い込んでいる自分がかなり苦しんでいる中、初めて会った彼が簡単に釣っていくのを見て、なんとなく落ち込んだことを覚えています。

それからは、彼の釣果をSNSでよく見るようになりました。
どうやら彼はかなりシーバス釣りをやり込んでいるらしく、年間100以上の釣果をコンスタントに上げているようでした。
彼の釣行は、荒川支流でのいわゆる「ドブ川シーバス」をメインとしているようでした。

その後、彼とは特に情報交換をするわけでもなく、SNS上でのうっすらとした交流が続いていました。
私が日々荒川本流で苦戦するなか、彼はスパスパとドブ川シーバスを釣り上げており、この差がなんなのかわからないまま時が過ぎていきました。

ある日、全く釣果が振るわずにもやもやとしていた私は「支流の釣りを教えてほしい」と彼に頼んでみました。
やや強引なお願いだったし、自分のホームとなるポイントを他人に知られることになるので、断られるだろうと思っていたのですが、彼はあっさりと了承してくれました。

そして、ドブ川釣行の日を迎えることとなりました。

ドブ川シーバス釣行

SNSでやりとりをし、集合場所と時間を決めました。
期待と不安が入り混じった何ともいえない感情を抱いたまま、自転車をこいでドブ川へ向かいました。

到着すると、横断歩道の向こう側で彼が手を振っています。
「上流から打っていきますか」そう言って、彼はクロスバイクをこいでいきました。
よく知らないドブ川沿いの道を、彼について行きます。

自転車をこぎながら見たドブ川は、200m間隔で橋が架かっています。都市部を流れる川であり人の往来も多いからでしょう。
そして、いたるところに流れ込みがあります。
荒川本流では数少ない目に見える形の絶好のポイントが、多数存在しています。

最初のポイントに到着しました。
タックルの準備をし川へ降りていきます。
目の前には落差のある流れ込みがあり、ジョボボボと音を立てて水が落ちています。

最初はどのルアーでアプローチすべきか聞くと、「ワームがいいですね。ミドルアッパーとか。」とのこと。
初手ミドルアッパーというアプローチはしたことがなかったので驚きです。
助言通りミドルアッパーをチョイスします。

流れ込みにミドルアッパーを通しますが、反応はありません。
もう一度同じように通しますが、やはり反応はなし。

これやりかた合ってる?という感じで彼の方を向くと、彼も同じように2度ワームを通しました。
すると「次行きますか」とのこと。
え?早くないか?と思いましたが、考えてみれば当たり前のことです。
先ほど記載した通り、こんな感じの絶好のポイントはそこら中にあるので、わざわざ確率の低そうなところを打って粘る必要がないのです。

流れ込み、明暗、橋脚を数投打ってはテンポよくどんどん下流へ移動していきます。
1つのポイントにかける時間はせいぜい5分程度です。
本流とはランガンの概念が違います。

レンジを刻むというアプローチも、このドブ川では必要ありません。
満潮時で水位は50~60cmほどしかないので、表層とか一枚下とかそういうのはありません。
とにかく魚が付いていそうなポイントにルアーを通していく感じです。
彼曰く「3回通してバイトがなければ居ないと思う」とのこと。

ランガンしながら様々なポイントを打っていきますが、この日はなかなか厳しくバイトがありません。
ハクの姿は見えるものの、追われている様子もなければ、ボイルもありません。

終盤、明暗にロザンテをドリフト気味に流し込んでいくと、ヌっゴゴンとあたりましたが掛けることができませんでした。
彼も同じポイントでバイトがあったらしいのですが、やはり掛けることはできませんでした。
結局二人ともノーフィッシュでこの日の釣行を終えました。
親切にしてくれた彼に丁重に礼を言い、帰路につきました。

普段なら肩を落とて帰るところですが、この日はなんともいえない興奮がありました。
自分の知っているシーバス釣りと、こんなにも違うシーバス釣りが、こんなにも身近に存在していたなんて…
帰りながら、どんな記事にしようかと、うきうきしながら帰りました。

荒川本流と支流の釣りの違い

今回の釣行で感じた、荒川の本流と支流での釣りの違いをまとめてみました。

比較項目本流支流
川の形状川幅50m以上
水深数十cm~6m程度
川幅10m以下
水深10cm-60cm程度
狙うポイント明暗や橋脚、流れ込みなど目に見えるポイントは一級ポイントだが、数が少ない。ブレイク、潮目など目に見えづらい水中の変化も手広く狙う。明暗や橋脚、流れ込みなど一級ポイントが多数存在。ひたすら一級ポイントを打っていく。ブレイクや潮目は存在しない。
時合ポイントによるが、下げの流れが効くタイミングが一般的。上げ後半から下げ序盤までの水位が高いタイミング。水位が低いとシーバスが入ってこられない
レンジ表層、水面直下、中層、ボトムなど細かくレンジを刻みながらアプローチ。水深が浅く、レンジを刻むことはほぼない。
ルアーミノー、シンキングペンシル、バイブレーションなど飛距離の出るスイミング系のシーバスルアーを使うことが一般的。小型ミノーやワームなど、ピン打ちできる軽量のルアーが中心。バスルアーを活用することも多い。
1つのポイントでどの程度粘るかルアーをローテーションしつつキャストを繰り返す。15分~60分程度で移動。1つのポイントにつき数投。5分程度で移動
情報量/人の多さ明暗などの一級ポイントは釣果情報も多く、人も多い。基本的に一級ポイントには先行者が居て、人の居ないポイントを探す必要あり。釣果情報がほぼ無い。人も居ない
私の感じた違いであり、ポイントによって条件が異なる場合があります。

普段私がやっている荒川本流での釣りと、彼に見せてもらった支流での釣りは、全く異なる釣りで、彼の釣りから見習う点が多々ありました。
数投打って出なければ、シーバスは居ないと判断し次のポイントに移る」という点は、私にはなかなかできません。
どうしても、同じコースに何回も何回もルアーを通してしまいます。
これを機に1つのポイントで粘る条件などを見直してみようと思います。

一方、共通する部分もありました。
それは、近距離のポイントに軽量のルアーを手返しよく打っていく点です。
私が多用するロザンテ77SPは、この釣りによくマッチしているように感じました。

さいごに

この日は残念ながらドブ川シーバスを釣り上げることができませんでしたが、またの機会にリベンジしたいと思っています。

今回の件で、今までひたすらに笹目橋付近だけで釣りをしてきたことを、若干反省しました。
もっといろんな場所で、いろんな釣りに触れないと、引き出しは増えないなと痛感しました。

それと、やはり人に教えてもらうというのは、情報量が多くかなりためになりますね。
fimoフィールドモニターの達人たちに、教えを乞うてみようかなんて思ったりしています。

それではまた。

続編の記事はこちら

私の知らなかった”ドブ川シーバス”の世界 ~リベンジ編~
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